私の世代から見て、
ロスジェネ世代に対して、
ロスジェネ世代に対して、
もう一つ思うことがあります
いわゆる 「ロスジェネ世代」
1970年代生まれから
就職氷河期が始まり、
就職氷河期が始まり、
就職難の若者が
膨大に増えました。
膨大に増えました。
このロスジェネ世代の
就職氷河期には、
就職氷河期には、
「フリーター」 というのは、
今とは逆で、もっと肯定的に
捉えられていましたよね?
今とは逆で、もっと肯定的に
捉えられていましたよね?
(当時、私たちの世代は中高生くらい)
「毎朝スーツを着て満員電車に揺られ、
毎日同じことの繰り返しの
仕事をするなんて馬鹿馬鹿しい。
もっと自由に夢を追って、
自分のやりたい事や個性・才能を
生かせる仕事をするべきだ。」
自分のやりたい事や個性・才能を
生かせる仕事をするべきだ。」
そんなふうに言って、
「フリーター」は
もて囃されていました
もて囃されていました
同じように、
「一生一つの会社に
勤め続けるなんて馬鹿馬鹿しい。
勤め続けるなんて馬鹿馬鹿しい。
もっと自分の能力に見合う
会社があるはずだ。
会社があるはずだ。
終身雇用・年功序列も古い。
実力主義だ。
給料は年俸制が良い。」
給料は年俸制が良い。」
などと言って、
「派遣」 という働き方や
「転職」 が、
さも新しい労働の
あり方かのように
「転職」 が、
さも新しい労働の
あり方かのように
言われていました
そうした背景には、
「雇用の流動化」
という美名の下で、
という美名の下で、
不況の際に直ぐ切れるよう、
バイトや派遣社員といった労働者を
増やしておきたいという経済界や、
アメリカ型の新自由主義、
市場原理主義を推し進めたい
政府の思惑があった
市場原理主義を推し進めたい
政府の思惑があった
(1995年に日経連がまとめた
「新時代の『日本的経営』」 には、
働く人を3種類に分けることを提言していて、
これが始まりだと言われています)
それらにまんまと騙され
踊らされたのが
踊らされたのが
ロスジェネ世代でしょう。
そして、小泉政権下では
小泉やホリエモンを熱狂的に支持し、
小泉やホリエモンを熱狂的に支持し、
新自由主義・市場原理主義を
推し進める小泉・竹中路線を
批判していたよしりん先生には
反発していたのです。
推し進める小泉・竹中路線を
批判していたよしりん先生には
反発していたのです。
お約束の
「もう 『ゴー宣』 は卒業した」
と言いながら。
「もう 『ゴー宣』 は卒業した」
と言いながら。
エディプス・コンプレックスですね
よしりん先生は
小泉・竹中路線を進める新自由主義者と、
本来その被害を最も被るであろう若者たち、
その両方と戦っていたのです。
正直、
(一体誰のために戦っているんだか・・・)
(一体誰のために戦っているんだか・・・)
という気持ちだったことでしょう
そして、
そんな風に騙された若者が、
そんな風に騙された若者が、
数年後、「派遣切り」 に遭い、
膨大な失業者となって
大問題となりました。
大問題となりました。
よしりん先生はロスジェネ世代に
「騙されるな」と言い続けて
いたけれど、彼らは、
小泉元首相が言っていた「痛み」が
いたけれど、彼らは、
小泉元首相が言っていた「痛み」が
実際に自分たちに降りかかるまで、
自分達の置かれている状況に
気付かないままでしたよね。
市場原理主義に異を唱え続け
(2001年の時点で既に描いている )
若者が平凡に生きられるよう、
中流層を守ろうとしたよしりん先生に
反発していたかと思えば、
自分に痛みが降りかかったら
泣き言を言う。
経済界や政治の思惑に
利用されたとはいえ、
利用されたとはいえ、
端から見たら 「甘えている」 と
思われてしまうでしょう。
思われてしまうでしょう。
今の大学生が
「甘えている。自己責任だ」
と思われるのも、
「甘えている。自己責任だ」
と思われるのも、
この時の若者に対する印象に
引きずられているという面も、
私はあるように思います。
引きずられているという面も、
私はあるように思います。
今の大学生の就職難は、
グローバリズムや今までの
そうした一連の政策によって、
正社員を減らし
フリーターや派遣という
正社員を減らし
フリーターや派遣という
“ いつでも切れる労働層 ”
の割合を膨大に増やし、
の割合を膨大に増やし、
日本の産業構造そのものを
変えてしまったことが
大きな原因だと思うんです。
変えてしまったことが
大きな原因だと思うんです。
つまり、
個人の 「根性」 や 「自己責任」 では、
個人の 「根性」 や 「自己責任」 では、
とても乗り超えられない
産業構造の変化が、
産業構造の変化が、
そこにはあるのです。
私が就職活動をしていた時にも、
インターネットの就活情報サイトには
「新しい働き方は派遣だ」
というような
というような
踊り文句が並んでいて、
派遣会社への登録を
呼びかける宣伝は
たくさんありました
呼びかける宣伝は
たくさんありました
ただ、この世代になると、
少なくとも私の周りでは、
「派遣なんて、いつ切られるかわからない。
派遣会社への登録は、正社員として
内定が取れなかった時の最終手段だ」
と考えられていましたが・・・
つまり、
誤解や反感を恐れずに言うならば・・・
誤解や反感を恐れずに言うならば・・・
私やさらに下の世代からしてみたら
いわゆる就職氷河期が
始まった当初、なぜ疑いもせず
「フリーター」や「派遣」という
始まった当初、なぜ疑いもせず
「フリーター」や「派遣」という
働き方を奨励してしまったんだ
そのトバッチリを、
なんで私たちが受けなきゃいけないんだ
なんで私たちが受けなきゃいけないんだ
私たちはそんな選択していない
・・・と言いたくもなる。
(もちろん、いわゆる
ロスジェネ世代の中でも、
ロスジェネ世代の中でも、
「フリーター」や「派遣」
という言葉に踊らされず、
という言葉に踊らされず、
地道に会社の歯車となって
働いていた人達も、
働いていた人達も、
たくさんいることはわかっています。)
でも、若い人が
「自由に生きたい」とか
「自由に生きたい」とか
「平凡なサラリーマンなんてつまらない」
とか思ってしまう気持ちはわかるので、
とか思ってしまう気持ちはわかるので、
ロスジェネ世代が騙されて
利用されてしまったのは
仕方ないとも思います
仕方ないとも思います
実際、私も子供心ながら、
そうした世の中の雰囲気や、
個性重視の教育の影響を受けて、
「私は将来、普通のOLなんかにならないよ」
なんて生意気に言ったのですが、
その度に母は言いました。
「そんなねぇ、誰も彼もが
自分の好きな事ややりたい事を
仕事にできるわけじゃないんだよ」 と
自分の好きな事ややりたい事を
仕事にできるわけじゃないんだよ」 と
そんなことを言う母に
反発を覚えたりしたのですが、
反発を覚えたりしたのですが、
今思えば、当然のことを
言っていたんですね
言っていたんですね
そして、私やさらに下の世代が、
時代や社会の被害者だと
言いたいわけでもないです。
上の世代からしてみたら、
「覇気がない」 だの「草食系」 だの
「根性がない」 だのと散々に
思われている世代ですから、
この世代にはこの世代の
問題点がたくさんあるのでしょう
ただ、ロスジェネ世代の
失敗を繰り返さないためにも、
失敗を繰り返さないためにも、
世間でもて囃されている言説を
鵜呑みにせずに、
鵜呑みにせずに、
「本当かな?」と疑ってみることが
重要だと思うんです
重要だと思うんです
だって現在は、
ロスジェネ世代の
「就職氷河期」よりもさらに酷い、
ロスジェネ世代の
「就職氷河期」よりもさらに酷い、
「超就職氷河期」 なんて
言われていますからね
言われていますからね
それを覆い隠すために、
それこそ経済界やマスコミなどが、
どんな「世論誘導」をしているか
わかったものではありません
そして、私の世代と下の世代を
ずっと同列に語ってきましたが、
実は今の大学生からしたら、
私の世代すらも今の産業社会を
作っている一部であって、
大学生の抱える苦悩や不安には
私たち世代にすら
責任があると思っています
責任があると思っています
だったら、この先の若者が、
もう少し希望を持てるような社会に、
少なくとも、
「働きたい」と思っている人が、
「働きたい」と思っている人が、
ちゃんと働けるような社会にして行く
責任があるのではないか?
責任があるのではないか?
「個人の『根性』で乗り越えよ」
と叱咤激励するだけではなくて、
そんな国にするために考えて、
「公論」 を創れたら・・・
と思うのも、
若者を甘やかしていることに
若者を甘やかしていることに
なってしまうのでしょうか?
よりよい未来を、
下の世代に渡したいと
下の世代に渡したいと
考えているだけなのですが・・・。